自律神経・難治性の不調

出町柳で難治性の不調を相談したい方へ|当院のアプローチと向き合い方

編集:アンリミテッドヒール京都|公開 2026.07.20編集方針

「病院を何軒まわっても、検査では異常なしと言われる。薬を飲み続けているのに、なかなかよくならない。もう年だから仕方ないのかな……」

そんなふうに、どこかで諦めかけていませんか。コロナ感染後から続く倦怠感、起き上がるのがつらい朝、天気や気圧の変化に揺れる体調、検査に写らないのに日常生活に支障が出るほどの痛みや疲れ——こうした症状は、あなたの気のせいでも、意志の弱さのせいでもありません。

「難治性の不調」は、現代医学をもってしてもまだ完全には解明されていない複雑な問題です。しかしだからといって"何もできない"わけではありません。神経系・筋膜・自律神経という視点から丁寧にアプローチすることで、少しずつ体の反応が変わっていく方を、出町柳の当院はこれまで数多く経験してきました。

この記事では、難治性の不調が起きるしくみと、日常生活でできることを、できるだけわかりやすくお伝えします。「また試してみようか」と思っていただける一助になれば幸いです。

「治らない」と言われた不調——あなただけではありません

難治性の不調というのは、あまり馴染みのない言葉かもしれません。しかし、その内容はとても身近なものです。コロナ後遺症による倦怠感・ブレインフォグ、慢性疲労症候群(ME/CFS)、自律神経失調症、線維筋痛症、起立性調節障害、検査で異常が出ない腰痛・頭痛・腹痛——こうした症状が「難治性の不調」のグループに含まれます。

これらに共通するのは、「画像検査や血液検査では異常が出にくい」「治療を続けても改善に時間がかかる」「症状が季節・天気・ストレスによって波がある」「複数の科をまたがって受診しても、なかなか全体像がつかめない」という点です。

出町柳や左京区で当院に相談にいらっしゃる方のなかにも、「大学病院で精密検査を受けたが異常なし」「心療内科と整形外科を行き来している」「仕事と子育ての両立で体を壊してからずっとだるい」といった経緯をお持ちの方が少なくありません。あなたが感じている「つらさ」は、けっして思い込みではないのです。

難治性の不調の多くは、単一の「悪い場所」があるのではなく、神経系・自律神経・筋膜・生活習慣が複雑にからみ合っています。「どこか一か所を治す」というアプローチよりも、「体全体の状態を整える」という視点が必要になることが多いのは、そのためです。まずは、自分が感じているつらさが「気のせいではない」「体の中で実際に変化が起きている」ことを知ることが、向き合う第一歩になります。

難治性の不調——よくある症状と共通する特徴 「検査に写らない」「原因不明」と言われやすい不調のグループ よくある症状の例 ● コロナ後遺症(倦怠感・ブレインフォグ) ● 慢性疲労症候群(ME/CFS) ● 自律神経失調症・動悸・めまい ● 線維筋痛症・全身の痛み ● 起立性調節障害 ● 検査異常なしの腰痛・頭痛・腹痛 ● 更年期に伴う慢性的な不定愁訴 共通する特徴 ● 画像・血液検査では異常が出にくい ● 天気・気圧・ストレスで波がある ● 複数の科をまたいで受診している ● 「気のせい」と言われた経験がある ● 休んでも回復しにくい ● 症状が複数同時に出ることが多い ● 不安・焦りも重なりやすい
図1:難治性の不調の種類と、共通して見られる特徴

難治性の不調のしくみ——神経系が「過敏な状態」に固定される

難治性の不調のなかには、「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」という現象が関係していると考えられているものが多くあります。これは少し難しい言葉ですが、要するに「神経系が過敏な状態に固定されてしまう」しくみのことです。

本来、痛みやだるさは「体からのアラーム信号」です。骨折すれば痛む、感染症にかかれば発熱する——こうした反応は、体を守るための正常な働きです。アラームの原因が解消されれば、信号も自然と落ち着きます。ところが、長期にわたるストレス・睡眠不足・過労、あるいは感染症(とくにウイルス性のもの)などをきっかけに、神経系そのものが「過敏モード」に入ったまま戻らなくなることがあります。

こうなると、わずかな刺激(体を動かす、音や光が入ってくる、気温が変わるなど)に対して、通常よりはるかに強い「つらさ」として感じてしまいます。原因が取り除かれたあとも、アラームが鳴り続けてしまうイメージです。この「神経系の誤作動」のようなしくみが、慢性疼痛や慢性疲労、コロナ後遺症の一部に見られることが研究で報告されています。

「気のせいと言われたけれど、本当に苦しい」という方の多くが、こうした神経系の変化を抱えている可能性があります。体が悪いのではなく、体を守ろうとする「信号システム」が過剰に働きすぎている——こう理解すると、症状が「気のせい」ではなく「体の実際の変化」であることがわかります。そして、過剰になったシステムは、適切なアプローチで少しずつ落ち着いていく可能性があるということも、同時に意味しています。

神経の「通常反応」と「過敏な状態(感作)」の違い 難治性の不調では、神経系が過敏なままになっていることが多いとされています 通常の反応 刺激(痛み・疲れ)が入る 神経系が「アラーム」を出す 原因が取れるとアラームも収まる → 症状が改善していく 過敏な状態(感作) わずかな刺激でも強く反応する 神経系が過敏モードのまま固定 原因が取れてもアラームが鳴り続ける → 症状がなかなか収まらない
図2:神経の通常反応と中枢性感作(過敏状態)のしくみの違い

原因は「つらい場所」だけではない——全身のつながりを見る

難治性の不調を抱える方の体を整体の視点で確認すると、「不調を感じる場所」と「原因になっている場所」が離れていることがよくあります。たとえば、慢性的な首のこりと頭痛を訴える方の体幹を確認すると、胸椎(背骨の胸の部分)の動きが著しく低下していたり、股関節まわりの筋膜が硬くなっていることがあります。

自律神経との関係も見逃せません。自律神経は心臓・血管・消化器・免疫など、体のほぼすべての臓器をコントロールしています。このネットワークのバランスが乱れると、だるさ・冷え・動悸・消化不良・不眠など、一見バラバラに見える症状が同時に起きてきます。こうした多彩な症状の組み合わせが「難治性の不調」の正体である場合も多いのです。

さらに、睡眠の質・栄養バランス・日光を浴びる量・社会的なつながりといった「生活の土台」も、神経系の状態に大きく影響することが知られています。出町柳周辺は学生街ということもあり、当院には「受験期のストレスで体調が崩れ、卒業後も続いている」「研究室での長時間デスクワークと睡眠不足が重なった」というご相談も多く寄せられます。

体の不調は、体の一部分だけを切り取って見ても原因がわからないことがあります。筋膜は全身をひとつながりのシートのように覆っており、離れた場所の緊張がじわじわと引っ張り合って、不調が複雑に絡み合います。「全身のつながり」として見ることが、難治性の不調に向き合う大切な視点です。

難治性の不調に関わる「4つの要因」 どれかひとつではなく、複数が絡み合っていることが多い 難治性の不調 (さまざまな症状) 神経系の過敏化 (中枢性感作) 自律神経の乱れ (交感/副交感) 筋膜の滑走不全 (硬さ・動きの制限) 生活習慣 (睡眠・栄養・光)
図3:難治性の不調に関わる4つの要因とそのつながり

研究でわかっていること

難治性の不調の背景にある「中枢性感作」については、神経科学の分野で多くの研究が蓄積されています。痛み研究の第一人者であるウルフ(Clifford Woolf)博士は2011年に発表した論文のなかで、「中枢神経系の過敏化は、末梢からの入力が限られていても痛みを持続させる」ことを体系的に示し、慢性疼痛の診断と治療に大きな影響を与えました[1]。この研究は「体に原因がないのではなく、神経系の反応のしかた自体が変わっている」ことを科学的に説明するものです。

また、国際疼痛学会(IASP)が2019年に発表した論文では、慢性疼痛を「症状」としてではなく「独立した疾患」として位置づける新しい分類(ICD-11)が提唱されました[2]。これは「痛みがあること自体を、他の病気の合併症としてではなく、それ自体の治療が必要な病態として認める」という考え方の大きな転換です。コロナ後遺症や慢性疲労症候群についても、免疫系・神経系の変化として捉える研究が急速に増えており、「検査では見えないが、体の中で確かに何かが起きている」ことが少しずつ明らかになっています。

当院での施術においても、こうした研究の考え方を参考にしながら、神経系への過度な刺激を与えず、自律神経の副交感優位の状態を促し、筋膜の滑走を少しずつ取り戻すというアプローチを大切にしています。「強く押す」「すぐ効かせる」ではなく、「神経系の負担を減らし、体が回復しやすい状態に整える」ことを目指しています。症状が長く続いているほど、急いで変えようとすることがかえって神経系の負担になる場合があります。じっくり、ていねいに関わることが、難治性の不調では特に大切です。

難治性の不調で変化が報告されている3つの系 「検査に写らない」が、体の内側では変化が起きていると考えられています 神経系 ・中枢性感作 ・痛みの感受性の上昇 ・自律神経のバランス乱れ ・睡眠障害との関連 (文献[1] Woolf 2011) 免疫系 ・慢性的な炎症反応 ・サイトカインの変化 ・コロナ後遺症との関連 ・ウイルス後疲労症候群 内分泌系 ・コルチゾール分泌の乱れ ・HPA軸の機能変化 ・甲状腺機能との関連 ・更年期症状との重なり
図4:難治性の不調で研究報告されている3つの系の変化(概念図)

なぜ一時よくなっても戻るのか——悪循環のしくみ

「整体や鍼に行くと一時的には楽になる。でも、しばらくするとまた元に戻る」——難治性の不調を持つ方から、よく聞く話です。これには理由があります。

神経系が過敏な状態(感作)に入っていると、体が「回復」する余裕を持ちにくくなります。少し楽になったと感じても、過敏な神経系が再び外からの刺激(ストレス・疲れ・気圧・睡眠不足)に反応して、また症状が前面に出てきます。さらに、「つらいから動かない」状態が続くと、血流と筋膜の滑りが落ちてさらに過敏になる、という悪循環が生まれやすくなります。

また、「また戻った」という経験が積み重なると、心理的にも「どうせよくならない」という気持ちが生まれます。この気持ち自体が、脳への「痛みや疲れ」の信号をさらに増強する方向に働くことが知られています。つまり、悪循環は体だけでなく「体と心のつながり」の部分でも起きているのです。

だからこそ当院では、「その日の施術で楽にする」だけでなく、「悪循環をどう断ち切るか」を一緒に考えることを大切にしています。日常生活の小さな工夫の積み重ねが、その方にとっての"ターニングポイント"になることが少なくありません。一時的に楽になったと感じたときこそ、次の一手を丁寧に準備するチャンスです。

難治性の不調が「戻りやすい」悪循環 一時的に楽になっても、この循環が変わらないと元に戻りやすくなります 神経系の過敏化 つらくて動かない ・不活動が増える 血流↓・筋膜が さらに硬くなる 症状が続く・ また悪化する
図5:難治性の不調が繰り返す悪循環のしくみ

自宅でできるセルフケア——土台を整える3つのステップ

難治性の不調に対して、自宅でできることはあります。ただし、「強く押す」「激しく動かす」はかえって神経系の負担になることがあります。大切なのは「神経系をなだめる」「副交感神経を優位にする」「血流と筋膜の動きを少しずつ取り戻す」という、ゆっくりとしたアプローチです。

ステップ1:呼吸を整える(4-6呼吸法) — 鼻から4秒かけて息を吸い、6秒かけて口からゆっくり吐き出します。これを1日に3〜5回、1回あたり10呼吸ほど行うだけで、副交感神経(リラックスの神経)が働きやすくなります。出町柳近くの鴨川の土手など、自然の中で行うとより心地よく続けられます。

ステップ2:睡眠の土台を整える — 難治性の不調では、睡眠の「質」が鍵になります。就寝1時間前にスマホやパソコンの画面を控える、部屋の照明を暗くする、就寝・起床時間をできるだけ一定にする——この3つだけでも、神経系の回復をサポートできます。「眠れない」という状態が続く場合は、医療機関への相談も選択肢のひとつです。

ステップ3:痛くない範囲での軽い動き — 無理をせず、痛くない範囲で体を動かすことが大切です。10分程度の散歩、仰向けで膝を胸に近づけるようなやさしいストレッチなど、「動かした後に症状が悪化しない程度」を守って続けます。急いで量を増やすより、「毎日少しでも続ける」ことのほうが、神経系にとって安心できる刺激になります。

セルフケアのポイント

  • 「つらくなったらすぐやめる」が鉄則。無理は禁物。
  • 毎日少しずつ続けることが、短期集中より効果的と考えられます。
  • 改善のペースは人によって異なります。焦らず長い目で見てください。
自宅でできるセルフケア(3ステップ) 「神経系をなだめる」「副交感優位にする」「少しずつ動きを取り戻す」が基本 1 呼吸を整える 鼻4秒で吸い、 口6秒でゆっくり吐く。 1日3〜5回、 10呼吸を目安に。 2 睡眠を整える 就寝1時間前に スマホを控える。 起床・就寝時間を できる限り一定に。 3 軽く動く 痛くない範囲で 10分程度の散歩や やさしいストレッチ。 悪化したら中止。
図6:難治性の不調のためのセルフケア3ステップ

こんなときは迷わず医療機関へ——見逃してはいけないサイン

難治性の不調に向き合うなかでも、以下のような症状が出た場合は、セルフケアや整体で様子を見るのではなく、すみやかに医療機関を受診することが必要です。整体院の役割は、医療に取って代わることではありません。

  • 急激な体重減少(特に意図していないのに1か月で3〜5kg以上)
  • 38度以上の発熱が1週間以上続く
  • 突然の激しい頭痛(「今まで経験したことがないほどの頭痛」)
  • 意識が遠のく・失神する
  • 胸の強い痛みや圧迫感(心臓・肺のトラブルの可能性)
  • 手足の急激なしびれや麻痺(突然片側だけに出る場合は特に注意)
  • 排尿・排便の障害(失禁・尿閉など)
  • 自傷や自殺を考えるほどのつらさ(こころの健康相談統一ダイヤルや精神科・心療内科へ)

難治性の不調は「急を要する病気」ではないことが多いのですが、上記のような「危険なサイン(レッドフラッグ)」がある場合は別です。「なんとなく変だな」と感じたら、まず医療機関へ。整体はその後、補完的な役割として活用してください。どんな状態であっても、まず安全を確認することが最優先です。

それでも変わらないとお感じのとき——当院の向き合い方

「病院でも整体でも、なかなか変わらない」と感じていらっしゃる方に、当院・アンリミテッドヒール京都(出町柳駅徒歩1分)がどう向き合っているかをお伝えします。

院長の日下部望(理学療法士)は、「症状のある場所を押すだけでは変わらない不調がある」という考えのもと、筋膜の滑走・自律神経のバランス・体全体の連動性という視点から評価・施術を行っています。とくに難治性の不調を抱える方には、「神経系を脅かさず、副交感優位の状態に少しずつ誘う」アプローチを重視しています。

施術の場では、「今日どんな状態か」を毎回丁寧に確認し、強さや方向を調整します。「押されると余計つらくなる」「施術後に疲れがひどくなる」という経験がある方でも、こうした配慮のもとで少しずつ体の反応が変わっていくケースがあります。ただし、当院の施術はあくまでも「補完的なケア」であり、診断や病気の治療を行うものではありません。効果には個人差があり、すべての方に同じ変化が起きるわけではないことも、正直にお伝えします。

出町柳周辺にお住まいの方、京大・京都市内から通われている方、「どこに相談すればいいかわからない」とお悩みの方は、まず一度お気軽にご相談ください。「どんな状態なら整体が役に立てるか」「どんな状態なら医療機関を優先すべきか」も、できるかぎり率直にお話しします。

まとめ

難治性の不調は、「気のせい」でも「あなたのせい」でもありません。神経系の過敏化・自律神経の乱れ・筋膜の変化など、体の内側で実際に起きている変化が関係していると考えられています。「もう治らない」とあきらめる前に、まず体のしくみを知り、できることから始めてみてください。

  • 難治性の不調の多くには「中枢性感作」(神経系の過敏化)が関係しており、検査に写らなくても体の中で変化が起きている。原因不明でも、あなたの体は嘘をついていません。
  • 原因は痛む・つらい場所だけでなく、自律神経・筋膜・生活習慣の全体に及んでいることが多い。「全身のつながり」として見ることが大切です。
  • 「神経系をなだめる呼吸」「睡眠を整える」「痛くない範囲で動く」という3ステップのセルフケアが、回復への土台づくりに役立つと考えられます。急がず、毎日少しずつ続けることが鍵です。

出町柳のアンリミテッドヒール京都では、難治性の不調に丁寧に向き合うことを大切にしています。医療機関との連携も含め、あなたの「次の一手」を一緒に考えます。

参考文献

  1. Woolf CJ. Central sensitization: Implications for the diagnosis and treatment of pain. Pain. 2011;152(3 Suppl):S2-S15. PMID: 20961685
  2. Treede RD, et al. Chronic pain as a symptom or a disease: the IASP Classification of Chronic Pain for the International Classification of Diseases (ICD-11). Pain. 2019;160(1):19-27. PMID: 30586067

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を目的としたものではありません。効果には個人差があり、特定の治療法の効果を保証するものではありません。症状が続く・悪化する場合は医療機関にご相談ください。

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